黒ナンバー(営業用)の軽バンを持つと、法律や公式の料金表で額が決まっている費用は、1年あたり16,980円です。 内訳は次の4つです。
- 軽自動車税:年3,800円(毎年4月1日の持ち主にかかる)
- 重量税:2年分で5,200円(車検のときに払う)
- 自賠責保険料:24か月で18,660円(2026年11月1日以後に始まる契約)
- 車検の手数料:2,500円(軽自動車検査協会に車を持ち込む場合)
この額は、新車から13年以内で、エコカー減税の対象でないガソリンの軽バンの例です。 任意保険、整備工場に頼んだときの点検整備の費用、燃料代は、人や店で額が変わるため入れていません。
自賠責保険料は、2026年11月1日以後に保険期間が始まる契約から上がります。 軽自動車の24か月の保険料は17,540円から18,660円になり、1年あたりでは560円の差です。
税額は地方税法と国土交通省の税額表、自賠責は損害保険料率算出機構と金融庁の資料、車検の手数料は軽自動車検査協会のページで、2026年10月20日と21日に確かめた値です。
1年あたりの維持費の計算例
軽バンの維持費は、毎年払う軽自動車税と、2年に1回の車検のときにまとめて払う重量税、自賠責、車検の手数料に分かれます。 車検の年とそうでない年で払う額が大きく違うため、次の表では2年分を出してから、2で割って1年あたりにしています。
| 費用 | 2年分 | 1年あたり | 払うとき |
|---|---|---|---|
| 軽自動車税(営業用の貨物) | 7,600円 | 3,800円 | 毎年(市町村の納期に払う) |
| 重量税(営業用、エコカー以外) | 5,200円 | 2,600円 | 車検のとき |
| 自賠責保険料(24か月、改定後) | 18,660円 | 9,330円 | 車検のとき |
| 車検の手数料(持込検査) | 2,500円 | 1,250円 | 車検のとき |
| 合計 | 33,960円 | 16,980円 |
前提は次のとおりです。
- 新車から13年以内の、エコカー減税の対象でないガソリンの軽バン
- 黒ナンバー(営業用)で、住んでいる市町村の軽自動車税が標準税率(市町村は標準税率の1.5倍まで高くできる)
- 自賠責は、2026年11月1日以後に始まる24か月の契約(離島以外、沖縄県を除く地域)
- 車検は、軽自動車検査協会に自分で車を持ち込む持込検査
車検の手数料の2,500円は、検査を受けるために協会に払う額だけです。 整備工場やディーラーに車検を頼むと、点検整備の費用と代行料が別にかかり、その額は店ごとに決まります。 整備工場が保安基準適合証を出す場合の協会の手数料は、1,850円か2,100円で、持込検査より安くなります。
この4つの費用は、所有する車の状態で決まるため、走った距離に関係なく同じ額です。 年に何km走るかで変わる燃料代やタイヤ代は、手取りの計算で売上や経費と一緒に計算します。
2026年11月1日の自賠責の改定で変わる額
自賠責保険料は、損害保険料率算出機構が2026年4月30日に金融庁に届け出た新しい料率で、2026年11月1日から変わります。 新しい保険料になるのは、保険期間が2026年11月1日以後に始まる契約です。 2026年10月31日までに始まった契約は、満了するまで前の保険料のままで、差額を払うことはありません。
| 保険期間 | 2026年10月31日までに始まる契約 | 2026年11月1日以後に始まる契約 | 差額 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 12か月 | 11,440円(非課税) | 12,300円(非課税) | +860円 | [1][2][3] |
| 24か月継続検査(車検)で多い期間 | 17,540円(非課税) | 18,660円(非課税) | +1,120円 | [1][2][3] |
| 25か月新車の登録のときの目安 | 18,040円(非課税) | 19,170円(非課税) | +1,130円 | [4][5][3] |
※「非課税」は、消費税がかからない保険料です(国税庁「No.6201 非課税となる取引」)。
※軽自動車の自賠責には、営業用と自家用の区分がありません。黒ナンバーの軽バンも、自家用の軽バンも同じ保険料です。
※保険料は離島以外(沖縄県を除く)の地域の値です。
※2026年11月1日以後に保険期間が始まる契約から、新しい保険料になります。損害保険料率算出機構が2026年4月30日に届け出て、5月21日に金融庁の審査が終わりました。
出典(確認日 2026.10.20)
車検で自賠責を入れ直す人にとっては、次の車検の日がいつかで、改定後の保険料を払うかが決まります。 車検が2026年11月1日以後なら、新しい24か月の契約は18,660円です。 車検が10月31日までに済んだ人は、その24か月の契約が終わる次の車検から、改定後の保険料になります。
軽自動車の自賠責保険料には、営業用と自家用の区分がありません。 黒ナンバーにしても、自賠責保険料は自家用の軽バンと同じです。
車検のときに払うもの
軽バンの車検証の有効期間は、営業用でも自家用でも2年です。 新車の最初の車検も2年後なので、黒ナンバーの軽バンは2年ごとに車検を受けます。
車検のときには、検査の手数料、重量税(2年分)、次の車検までの自賠責保険料を払います。 検査の手数料は、車をどこで検査するかで次のように変わります。
| 申請の種類 | 手数料(1両) | 内訳 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 軽自動車検査協会に車を持ち込んで検査を受ける(持込検査) | 2,500円(税の表記なし) | 検査手数料2,100円+技術情報管理手数料400円 | [1] |
| 整備工場の保安基準適合証を出す(OSS申請) | 1,850円(税の表記なし) | 検査手数料1,450円+技術情報管理手数料400円 | [1] |
| 整備工場の保安基準適合証を出す(OSS申請を除く) | 2,100円(税の表記なし) | 検査手数料1,700円+技術情報管理手数料400円 | [1] |
| 車検の有効期間 | 軽バンなどの貨物用の軽自動車と、事業用の軽自動車は、新車の最初の車検も含めて2年ごとです(道路運送車両法61条)。自家用の軽乗用車は、新車の最初の車検だけ3年です。 | [2] | |
| 点検整備と代行の費用 | 整備工場やディーラーに頼んだときの点検整備の費用と代行料は、店ごとに決まり、公式の値はありません。 | [1] | |
※税込、税抜は出典のページの表記に従っています。「税の表記なし」は、ページに税込か税抜かが書かれていなかったものです。
※手数料は軽自動車検査協会の値です。協会のページには、税込か税抜かの表記がありません。
※車検のときには、手数料のほかに重量税(2年分)と、次の車検までの自賠責保険料を払います。額は税と自賠責の表を見てください。
出典(確認日 2026.10.21)
重量税は、新車から13年を超えた車と18年を超えた車で高くなります。 営業用の軽バンでは、2年分が13年経過で5,400円、18年経過で5,600円です。 自分の車の次の車検の重量税は、「次回自動車重量税額照会サービス(軽自動車)」で、車検証の情報を入れると確かめられます。
13年を超えた車と、自家用の車の維持費
中古の軽バンを使う人や、自家用の軽バンを黒ナンバーにする人は、上の計算例と額が変わります。 同じ前提(自賠責は改定後の24か月、持込検査)で、車の古さと営業用か自家用かだけを変えると、1年あたりの額は次のようになります。
| 車 | 軽自動車税 | 重量税(1年あたり) | 自賠責(1年あたり) | 車検の手数料(1年あたり) | 合計(1年あたり) |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業用、13年以内 | 3,800円 | 2,600円 | 9,330円 | 1,250円 | 16,980円 |
| 営業用、13年超 | 4,500円 | 2,700円 | 9,330円 | 1,250円 | 17,780円 |
| 自家用、13年以内 | 5,000円 | 3,300円 | 9,330円 | 1,250円 | 18,880円 |
| 自家用、13年超 | 6,000円 | 4,100円 | 9,330円 | 1,250円 | 20,680円 |
13年を超えて重くなる時期は、軽自動車税と重量税で数え方が違います。 軽自動車税は、最初にナンバーを付けた月から14年を経過した月の属する年度から重くなります(総務省の説明では、ガソリン車などは新車としての登録から13年)。 重量税は、最初の検査の年から13年たった年の11月1日以後の車検から重くなります。 年式の境目にある車は、表の額が1年ずれることがあります。
13年以内の車で比べると、営業用と自家用の差は1年あたり1,900円で、すべて税金の差です(13年超では2,900円)。 軽自動車税と重量税の条文上の区分、軽乗用車(5ナンバー)を黒ナンバーにした場合の税額、自家用から黒ナンバーに変えた年の扱いは「営業用の軽貨物の税金と自賠責」にまとめています。
計算に入れていない費用
上の計算例には、額が人や店で変わる費用を入れていません。 維持費の全体を見積もるには、次の費用を自分の条件で足します。
任意保険は、黒ナンバーの軽バンで入れる保険かどうかを、保険会社に営業用で使うと伝えて確かめ、見積もりを取ります。 損害保険料率算出機構の統計(「自動車保険の概況」2025年度版の第13表、2024年度の値)で、軽四輪の貨物車の保険料の合計を新しく契約した台数で割ると、1台あたり約4万4千円になります。 ただし、この統計は自家用と営業用を分けておらず、等級、年齢、補償の内容による差も反映していません。 営業用の軽貨物だけの保険料の統計や、保険会社が公表している黒ナンバーの保険料の例は見つからなかったため、この額で黒ナンバーの保険料を見積もることはできません。 委託元が補償の内容を決めていることもあり、たとえば Amazon Flex は、対人無制限、対物1億円以上を含む任意保険への加入を求めています。
点検整備の費用は、整備工場やディーラーに車検や定期点検を頼んだときにかかる額で、店ごとに決まります。 黒ナンバーの軽貨物の事業者は、日常点検と1年ごとの定期点検をすることになっています(国土交通省のよくある質問)。 道路運送車両法で3か月ごとの定期点検になる「自動車運送事業」の車からは、軽貨物の事業の車が除かれているためです(同法2条7項、48条1項)。
燃料代、オイル、タイヤ、駐車場代は、走る距離や住んでいる地域で変わります。 燃料代は走行距離と燃費で計算できるので、手取りの計算で入力します。
安全管理者の定期講習は、車ではなく事業にかかる費用で、2年ごとに受けます。 2025年4月の改正で、一人で事業をしていても貨物軽自動車安全管理者を選ぶことになり、選んだ人は2年ごとに定期講習を受けます。 定期講習の受講料は、2026年10月21日時点で確かめられていません。 選び方と講習の順番は「貨物軽自動車安全管理者とは」にまとめています。
車を買うときの税
車を買うときにかかっていた環境性能割は、2026年4月1日に廃止されました。 2026年4月1日以後に軽バンを買っても、環境性能割はかかりません。 新車を買うときにかかる重量税と自賠責保険料(25か月で19,170円、改定後)は、上の維持費とは別に、開業のときの費用として数えます。
自分の車の維持費を計算するには
上の表は、決まった前提の例です。 車種、新車からの年数、営業用か自家用かを入れて、自分の車の1年あたりの維持費を出すには、年間維持費の計算を使います。
維持費が分かったら、売上から委託の手数料、燃料代、維持費、税金と社会保険料を引いて、いくら残るかを手取りの計算で確かめます。 これから黒ナンバーを取る人は、届出と安全管理者の選任の順番を「軽貨物の開業の手続き」で確かめてください。